世代を結ぶ架け橋に

 コロッケさんの前向きな姿勢は、お母さまの影響だと伺いました。
 母が教えてくれた「あおいくま」という言葉があります。「焦るな」「怒るな」「いばるな」「腐るな」「負けるな」の頭5文字です。
 これは、ずっと"人に対して"だと思っていました。初めて「ものまね王座決定戦」で優勝した時に、"自分に対して"の言葉だと気付いたんです。
 「人に負けるな」だとその人のことを憎たらしく思わないといけない。だけど、それが「自分に負けるな」だったら相手を憎まなくてもいい。
 そう考えるようになってから、"何のための"ものまねかを考えられるようになりました。
 ものまねは"ご本人"がいて初めてできるわけですし、見てくれる方がいてこそ芸が成り立つ。
 だから私は「相手が1番、自分は2番」と思っています。
 「まねる」は「学ぶ」と同じ語源だそうです。私もまねる方を徹底して研究します。"ご本人がやりそうでやらないこと"が、自分の中からアイデアとして生まれるまで。
 そうして出来上がったのが、五木ひろしさんのロボットダンスや、森進一さんのジュラシック・パークなどです(笑い)。今では、レパートリーは1000を超えました。

 2022.9.21付 聖教新聞 明日へつなぐ芸術の力
 ものまねタレント コロッケさん
 「民音ハートフル・インタビュー」抜粋