自分のための偽善屋!

破邪顕正
 今回の東京都議選で、中野区の民主党候補が"自転車に乗って回っていま〜す"と、しきりにアピールしていた。
 「どうせ今だけ。票ねらいのパフォーマンスでしょ」と、都民は冷やかな反応だった。
 こんなふうに派手に振る舞う者の心理を「『何もかも自分のため』という退化の心境」だ(氷上英廣訳)と痛罵したのは哲人二ーチェである。
 何もかも自分のため
 だいたいこの候補、かつて自由党で他区の支部長まで務めた人物だ。前回の都議選で落選し、民主党と合流したら、ちゃっかり中野区で出馬したのだ。
 今回も、自分は自転車に乗って、足りない知識は後ろの車に乗る議員にしゃべってもらう始末であった。区のことを何もわかっていない証拠だ。
 民主党は、こんな"鞍替え"が多すぎる。世田谷では、民主党から出馬した3候補のうち二人が区議を任期途中で辞めてきた半端者だ。そのうち一人は区議を1期も務めていない。
 しょせん、区議→都議→国会議員という出世コースの踏み台か?地域のため、住民のためという信念がないから、立身出世が絡むや、恩ある地域に後ろ足で泥をかけて平気なのだ。
 何とちっぽけな連中か
 さらに二ーチェいわく「小さき思想は菌に似ている」。
 「それは這いまわり、もぐり、どこにも見あたらなくなる」「ついには、このちっぽけな菌類のために全身が腐り、衰弱してしまう」(同)
 自分のためのエゴ政治屋こそ社会全体を腐らせる病原菌だ。いい調子で「這いまわり」、いつの間にか「見あたらなくなる」ような偽善屋は、有権者の怒声で叩き出せ。 (薦木栄一)