名字の言

凡人とは

デンマークの哲学者キルケゴールは、著作『現代の批判』の中で“情熱のない時代は、ねたみが、傑出する人の足を引っ張り、人々を否定的に水平化する”と述べ、それを打破するには一人一人が「不動の宗教性を獲得するしかない」(桝田啓三郎訳)と強調した。▼こ…

二つの生き方

植物は動くことができない。種子が落ちたのが、どんな場所であろうと、その場で一生を終えるしかない。そんな植物は、二つの生き方を両立させている。▼一つは、自らが生息する環境の条件など、変えられないものは「受け入れる」。もう一つは、自分の体や成長…

『論語』の一節に「文を以て友を会し、友を以て仁を輔く」とある。学問によって友人を集め、その友人によって自分の人格の成長を助けていく、との意だ。 <中 略>▼御書に「大風ふき候えども、つよきすけをかいぬればたおれず」(御書新版P1940・御書全集P14…

「キツネとオオカミ」

キツネとオオカミの友情を描いた『ごめんね ともだち』(偕成社)という絵本がある。ある日、ささいなことでけんかし、「ごめん」が言えず、互いにそっぽを向いた。▼だが、次第に自身の振る舞いを反省するように。キツネが涙をこぼすと、足元にいたアリがず…

これがあるから

学術者になる夢をかなえ、大学の教壇に立つ男子部員。だが、ここに至るまでは紆余曲折の歳月だった。病がきっかけで中学時代は不登校を経験。大けがをした高校時代は、同級生より卒業が1年遅れた。▼“病気やけがさえなかったら、スムーズに未来が開けたのに”…

原点

池田先生は「原点があれば、心は揺れない。何があっても、そこに返れば新しい力が湧く」と。報恩の心で使命の道を歩み抜く時、その足跡は必ず”希望の轍”となる。(壱) 2022.12.7付 聖教新聞 名字の言抜粋

先人への感謝

そば粉を使わない「沖縄そば」を「そば」と表示してはならない――沖縄の本土復帰後、公正取引委員会から沖縄生麺協同組合に連絡が入った。そば粉を3割以上使用することが「そば」の表示の条件だからだという。▼県民に親しまれた「そば」を守るため、地元業者…

学は光

55歳203日で日本フットボールリーグの最年長出場記録を更新した三浦知良選手が、コラムにつづっている。「学ぶということを知っている者はだれのせいにもしない。僕は学び続ける人間でいたい」▼仮に自分と同じポジションの経験がない監督であっても、指示に…

失敗の数

来月22日、オーストラリアで開幕する女子バスケットボール・ワールドカップ。昨年の東京五輪で銀メダルの快挙を成し遂げた女子日本代表は、初の金メダル獲得に挑む。▼東京五輪でキャプテンを務めた髙田真希選手は、結果を出すためには「過程が何よりも大切」…

今の一念

どんな挑戦も、決意と目標が明確であって初めて、願った通りの結果を残す道が開ける。御書に「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(P231「開目抄 下」)と。大切なのは今の一念、今の行動である。 2020.1.11付 聖教新聞 名字の言 抜粋

過去は変えられない

詩人の吉野弘さんは“漢字遊び”の名人だった。例えば「過」という詩がある。「日々を過ごす/日々を過つ/二つは/一つことか/生きることは/そのまま過ちであるかもしれない日々」(『吉野弘詩集』ハルキ文庫) 確かに、人が生きる限り、失敗や間違いは避け…

うさぎとかめ

「うさぎとかめ」の寓話について、池田先生が若き友に語ったことがある。「『かめ』が勝ったのは、別に相手が『うさぎ』だったからじゃない」。すなわち、「うさぎ」は「かめ」を見て走ったが、「かめ」はゴールのみを見つめて歩み抜いた。だから勝った。 人…

誰かが見ていてくれる

地元の男子部員と話した時、最近のテレビの話題に。「お笑い芸人の出川哲朗さんを見ると、どんな嫌なことがあっても吹き飛びますね」と言っていた。 「ヤバイよ、ヤバイよ」の決まり文句で、ザリガニのはさみで鼻を挟ませたり、言葉の通じない国で買い物をし…

何のため

寓話を一つ。ある日、レンガ運びをする3人がいた。彼らに通り掛かりの人が尋ねる。「何をしているんだい」 1人目は「レンガ運びだよ」と答えた。2人目は「壁を作っているのさ」。そして3人目は誇らかに「城を建てているんだ」と。見た目は同じ作業をして…

失敗から学べる人は強い

「僕は、戦いに敗れることを活力源にして次々に戦いをいどんでいる」とは、映画界の巨匠・黒澤明監督の言葉。栄光と挫折が交差するその生涯は、多くの示唆を与えてくれる。 敬愛するドストエフスキーの『白痴』を映画化した時のこと。気負い過ぎたのか、作品…

目標が大きいほど

目標が大きいほど、乗り越えなければならない壁は高い。池田先生は、困難と戦う友を「目標を見失わない限り、無駄な日は一日たりともない。日々、価値ある黄金の一日となり、希望がわき、成長もできる」と励ました。 わが人生と広布の目標は明確か、改めて自…

誰かのために

生命の十界は一面、“人間の底力を発揮できる生き方の順番”という捉え方もできる。確かに、地獄界、餓鬼界、畜生界では前進の力は弱い。悟りが自身だけにとどまる声聞界、縁覚界でも、行き詰まりを感じることが多い。だが誰かのために行動する菩薩的生き方を…

今、ここから

誰に何を言われようと、人生は自分自身のもの。諦めない限り、勝機は必ずある。 失敗して立ち止まったなら、もう一度、自分でスタートラインを引けばいい。 常に「今、ここから」出発するのが本因妙の仏法である。 2017.5.19付 聖教新聞 名字の言 抜粋

ブラジルの作家ベリッシモいわく「変化の突風が吹く時、防壁を立てる人もいれば、風車を創る人もいる」と。 ”攻め”の姿勢こそ、あらゆる風を楽しむための急所に違いない。信仰者とは「戦う人」の異名である。(之) 2017.3.28付 聖教新聞 名字の言抜粋

逆境だからこそ

腹をすかせたキツネが、支柱に垂れ下がるブドウを見つけた。取ろうとしたが届かない。立ち去り際に独り言。「まだ熟れてない」──“できないことを何かのせいにしてごまかす人がいる“ことを表した寓話だ(『イソップ寓話集』中務哲郎訳、岩波文庫) ◎環境や状況…

やらない後悔とやった後悔

後悔には「やらない後悔」と「やった後悔」の2通りがあり、人は前者の方をより感じる傾向があるという。行動すればたとえ失敗したとしても、その経験から何かを学ぶことができるからだ(ダニエル・ギルバート著『明日の幸せを科学する』熊谷淳子訳、早川書房…

ありがとう

婦人部の言葉。「『ありがとう』を口癖にしていると、日常生活でも、お礼を言いたくなることばかりに目がいって……。 気付けば、私の周りは“感謝“であふれていました。 池田先生は「『ありがとう』を言うたびに、あなたの心は光ってくる。体にも生命力がわく…

凱風南自りし

中国の古典『詩経』に「凱風南自りし、彼の棘心を吹く」とある。「棘心」は育てにくい茨の木の芯。「凱風」はそんな茨にも隔てなく吹き、成長への滋養を与える。自分を育ててくれた母親へ感謝を込めたとされる一節。 2016.12.21付 聖教新聞 「名字の言」抜粋…

今が一番!

▼初代会長の牧口先生は「昔はよかった、ああだ、こうだと、昔の自慢話ばかりする人は、今が悪いという証拠である」と指摘した。牧口先生自身は、70代になってからも、口癖のように「われわれ青年は」と呼び掛けた。獄中にあっても、最後まで真摯に学び続けた…

歴史を創る

「自ら歴史を創ろうとする人は、いかなる試練にもたじろぐことはない。 苦境を舞台に、人生の壮大なドラマを創り上げていく」 小説『新・人間革命』清新の章 2016.10.27付 聖教新聞 名字の言より

もとの儘

「はたらかさず・つくろわず・もとの儘」(御義口伝 第廿三久遠の事 御書P759)と。 本物の"人間力"を光らせるには、見えや体裁を捨て、ありのままの姿で切磋琢磨し合うことだ。 2016.10.12付 聖教新聞 名字の言より

積極的人生

日蓮大聖人の仏法は「積極的人生」──SGI会長は、そう語る。「苦しみを避けて、何か、こそこそと生きていくような弱々しい生命ではないのです。『さあ何でもこい!』と。『さあ、また山を越えるぞ! 山を越えた分、また人生を大きく楽しめるんだ。多くの人…

不可能を可能に

日蓮仏法は「不可能を可能にする信心」。だが、魔法のように他力本願で奇跡を起こすのではない。信心を源泉に自ら「戦う心」を奮い起こし、困難に立ち向かった結果である。― (略) ―▼絶対に諦めないと決め、人一倍の努力を一歩一歩重ねる――その人にのみ、「不…

「心の外に別の法無し」

NHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインのモデル・広岡浅子のペンネームは「九転十起生」。七転び八起きならぬ、九転び十起き。"きっとやってみせまっせ"と、幾つもの不可能を可能にした。−(略)−▼御書に「心の外に別の法無し」(「三世諸仏総勘文教…

No9

携帯電話や自動車のナンバーなどに、好きな番号が選べるサービスがある。ホテルに泊まると、「死」を連想させる4や、欧米で不吉とされる13などが欠番の時がある。気になり出すと、捨てておけないのが数字というもののようだ。 ▼14年前、東京の創価高校…