失敗の数

 来月22日、オーストラリアで開幕する女子バスケットボール・ワールドカップ。昨年の東京五輪で銀メダルの快挙を成し遂げた女子日本代表は、初の金メダル獲得に挑む。
東京五輪でキャプテンを務めた髙田真希選手は、結果を出すためには「過程が何よりも大切」と語る。例えば、2人がかりで相手のボールを奪いにいく際には、足を出す角度が1ミリでもずれないよう、何度も練習を繰り返したという。
▼そうした細かい改善を続け、厳しいトレーニングに耐え抜いてつかんだメダルだった。だが、それ以上に「つらいことを乗り越えてきたという過程は、結果以上に価値がある」と(『苦しいときでも、一歩前へ!』KADOKAWA
▼勝敗が分かれるスポーツでは、どれだけ努力を重ねても、最後まで勝ち残れるとは限らない。優勝者以外、いつかは「負け」を経験するものだ。その時に、それまでの過程を支えに再び立ち上がり、次の一歩を踏み出す。この積み重ねから未来の勝利の因はつくられる。
▼「たくさん失敗したということは、たくさん挑戦したということである。『失敗の数』を誇るべきなのである」と池田先生は教える。失敗を恐れず、前へ前へ――「前進」そして「挑戦」の下半期を共々に!(巍)

 2022.8.31付 聖教新聞 名字の言より