狡猾な"論点そらし"

アメ玉を取り合って、子どもが2人ケンカしていた。
 一方の子が「お前の母ちゃん出べそ」と悪態をついたら、「なにおう、出べそじゃないやい」「だったら証拠を見せてみろよ」---アメ玉をめぐる攻防は、かくて"出べそ論議"にすり替わっていった……。
 昨今の時局も、こんな幼児の口ゲンカの趣である。
 国会の改革論議で、手詰まりになった野党や一部の造反屋が、オロオロして解散に流れ込んだ今回の衆院選
 案もなかった党派が偉そうに威張り、肝心の郵政論議以上にやれ政権がどうの、新党がどうの、刺客がどうのと、くるくる目移りしている騒動だ。
 とくに、対案も出せなかった民主党を持て囃すテレビなど、面白い話題なら何でもいいといわんばかりである。
 "中立公正"など嘘八百そう言われたくなければ、政治的空白を作った無能党を、まず手厳しく批判・弾劾するのが筋ではないか。
 そもそも、"論点そらし"は民主党の十八番だ。年金改革の折も、議員の未納がどうのこうのと騒いで国民の目をそらし、あげくに当の菅代表自身が未納で、ぶざまに辞職した。
 その同じ人物が、しゃあしゃあとテレビで思いつきを吹いているとは、ムシズが走る。
 こんな馬鹿まる出しの扇動党の片棒を担いで、へらへら付いていったのが"賢明なる"マスコミ諸兄ではなかったか?
 国民生活への同苫なく、次々に関心をそらす「話題作り」など糞食らえ!メディア主導の選挙には功も罪もあろう。だが報道合戦にかまけていれば、やがて汝らも亡国の責めを問われるものと知れ。(小泊聡)