集めたものは残らない

「自分探しの旅、やめよう」と水谷修さんは呼びかける。夜の街を歩き、若者たちに語りかけ、彼らの更正に尽くす"夜回り先生"のメッセージだ。
▼「自分」とは何か?個性は?適職は?人生何がしたいのか?立ち止まり、いくら考えても答えは出ない「それよりも意識を外に向けて、まわりに優しさをくばって、人の笑顔を見る喜びを知りましょう」(『こどもたちへ』サンクチュアリ出版)
▼「自己を問う」ことは大切だ。が、問うあまり、内向き思考となり、"他者とのかかわり"を忘れては何にもならない。釈尊は、声聞・縁覚の二乗を「成仏できない」と断じた。才能や力があっても、もっぱら自分の悟りのために用いるからだ。仏典は、そのエゴの姿を"深い穴に落ち込んだ状態"に譬える(開目抄、御書P191)
知識、カネ、地位などを、人は手に入れたがる。しかし「集めたものは残らない、与えたものだけが残る」(霜山徳爾著『共に生き、共に苦しむ』河出書房新社)のだ。この人生の真実に、私たち創価の友は強く生き抜く。
この友、あの人の笑顔のためにその献身の戦いに徹するなかに、人間としての本当の成長がある。自分の最高の持ち味も"太陽"のように輝く。(順)