弟子の道

仏典に「人として生まれることは、三千年に一度しか咲かない優曇華うどんげ)の花にあうように難しい」(涅槃経)とある。
古代ギリシャの哲学者プラトンも「人間に生まれたこと」を喜んだ。そして「アテネ市民に生まれたこと」、さらに「ソクラテスの弟子になったこと」を、「ありがたい、じつにありがたい」と感謝するのが常であったという。
プラトンアカデメイア(学園)を創設したのは、師、ソクラテスを無実の死に追いやった者への怒りのゆえであった。誤った政治と社会を変革しなければならない。師に対する感謝を忘れず、その正義を証明するためにも、教育に力を尽くそう。その炎が胸中に燃え盛っていた。
▼名高いアリストテレスも、この学園でプラトンに学んだ。900年以上にわたり人材を排出し続けたアカデメイア。その原点には師弟の精神があった。
▼池田名誉会長が創価学園を設立したのも、初代会長、第2代会長の構想を実現するためだった。今、幼稚園から中学・高校、大学と一貫教育が整う。その人間教育のキャンパスから多くの人材が各界に躍り出ている。先師、恩師の夢を実現せんとの師弟の絆が今、花開いている。
▼この師弟の戦いの継承こそが、弟子の進むべき道であろう。(琉)