「成功の反対は?」

 「成功の反対は?」と聞くと、誰もが「失敗」と答えるだろう。吉本興業を全国規模に押し上げたフリープロデューサーの木村政雄氏は「成功の反対は失敗ではなく、妥協」と。
▼対立する双方が譲り合って、一致点を見いだすことが「妥協」の意味。だが自分自身との安易な妥協は「人生の目標値」を下げていくだけ。失敗を恐れて現状を打開しようとせず、「仕方がない」と諦めては成功はあり得ない(「第三文明」2月号)。
▼「生涯最高の失敗」でノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏は語る――失敗して落ち込むと目標を少し下げ、90%くらいを目指して「よし」としたことも。それでもできないと、さらに目標を下げ、悪循環に陥った。
▼そこで、できなくとも110〜120%ぐらいの目標を設定。何度も取り組んでいくと、やがて100%の成功が可能に。その積み重ねが時として150%、200%へと飛躍を遂げることもある、と。
▼若き日の池田名誉会長が指揮を執った「2月闘争」は、まさに組織に潜む妥協を打ち破った革命ではなかったか。それが、師の誓願である75万世帯の弘教達成へ道を開いた。本年も1カ月が過ぎた。妥協はないか、目標への情熱は燃えているか。日々、問いかけ前進したい。 (葉)