永田質問はオウンゴール?

オウンゴール〉――サッカーで自分のゴールへ蹴(け)り込む自殺点は敵に1点を献上する。その影響は通常の1失点にとどまらない。後遺症が残るのだ。
◆しばしばゲームの流れが変わる。信頼が揺らぎチームプレーがばらばらになったりもする。民主党永田寿康議員は自分の質問がまさにオウンゴールだったと、身に染みて感じていることだろう。
◆6日から参院予算委員会の審議が始まったが、民主党に勢いが見えない。耐震強度偽装などいわゆる4点セットで政府・与党を激しく攻める姿勢はすっかり影を潜めた。
◆永田質問がオウンゴールとなった後遺症だろう。「送金指示メール」の疑惑を追及するつもりで爆弾発言に及んだが自爆。裏付けのない追及で流れは一転、攻守ところを変えた。
◆「野党の追及がはったりと聞こえるようになったら、野党はもたない」と江田五月民主党参院議員会長。「政治家の株価を下げる民主党」と時事川柳。無鉄砲な質問は未熟な思い込みで始まった。
◆間違った思い込みはないか、その自問のない思い込みは、人騒がせ、はた迷惑だ。
【3月7日付 読売新聞 よみうり寸評】