最も難しい勝利それは自分に勝つこと

 「我にかち みかたに勝ちて 敵にかつ これを武将の 三勝といふ」。牧口初代会長と親交が深かった新渡戸稲造博士が、著書『自警録』に、楠正成が詠んだ歌として紹介している。
▼IT(情報技術)化が進むなど、社会は猛烈なスピードで変化している。あらゆる企業・団体も生き残りをかけて熾烈な競争を展開している。急速に変化する時代だからこそ、自らの成長・革新が欠かせまい。まず勝利する相手とは「自分自身」だ。
広宣流布という未聞の大事業には、いくつもの大きな「壁」がある。しかし、その実像は、自身の胸中の「壁」にほかならない。惰性や憶病に流されて、どうして広布を阻む障魔を打ち破ることができよう。
▼新渡戸博士は強調している。「己れに克つものは外、世界にも勝つことが出来る。己れに克つこと能わずして世界に勝つことは、一時的に出来ぬこともなかろうが、恒久の勝利を得ることは望み難い」(前掲書)
▼かつて、池田名誉会長は関西創価学園生に、作家・アイトマートフ氏の言葉を贈った。「最も難しい勝利、それは自分に勝つこと」。「広布第2幕」が開幕した今、一人一人が自身に連続勝利する日々でありたい。そこから、栄光輝く歴史は、大きく切り開かれる。(芯)