家計簿

 妻は結婚以来、ずっと家計簿をつけていた。3、4年前から年末になると白ゆり家計簿を二冊買って、一冊を近所の友人に贈呈していたようである。
 去年の11月21日に家計簿(一冊)が届いた事をメールで知らせた。返事のメールは短く「ありかとぅ」のみ、痛み止めのモルヒネのせいで、日によって朦朧としていて長い文章が打てない時があった。
 ちょうど24日に外出(最後となった)する予定だったので本人から渡すつもりでいたようだ。しかし、体調が悪くなって3時間ほどで病院に逆戻りしてしまった。私は次に外出した時に渡せばよいと友人が誰なのか詮索しなかった。結局、年を越しても家計簿を渡すことができないまま家に残ってしまった。
 本日19時30分から男子部が彼女を折伏、お守り御本尊の授与の予定になっていた。道が空いていて18時過ぎぐらいに帰宅、家計簿のことがずっと気になっていたので白ゆり長に、誰に贈呈していたか確認したが「たぶん、Yさんだと思う」とのことであった。
 ダメもとでYさん宅を訪問、妻が贈呈していた方に間違いはなかったが、「暮れにいつも来てくれていたのに、今年はどうしたのかなと思っていましたが、来なかったので自分で購入しました」とのことであった。事情を話し「もう、1月も終わりぐらいになって使えないと思います。ただ、押しつけるようで申し訳ないですが供養だと思って、いただいてもらってはいただけないでしょうか?捨てていただいても結構です」とお願いすると、「判りました、それならば」と受け取っていただいた。
 これで、「よかった」一つ妻が残したものを処理できたと思って帰ってくると、Yさんが後を追いかけてきて、「いつもいただく代わりに1ヶ月新聞をとらせていただいていました、今回もとらせていただきます」とのこと、「ありがとうございます。最高の供養をしていただいて本当にありがとうございます」と、何回もお礼を言わせていただいた。
 その足で白ゆり長宅に報告、配達員の別の白ゆり長もいたので、「締めが過ぎてるけど、地元やから間に合うやろ」と、「OKです。この事、地区婦人部長にも報告しときます」
 そして、子供たちも「お母さんすごいなぁ、死んでからも新聞するか」と…
 いい時間になっていたので授与のお祝いに会館へ向かった。


 今日は長男の21歳の誕生日である。