2009.01巻頭言

「青年・勝利」の若き大山脈を



 崇高な
  広布の仏勅
     受け継げや
  青年王者の
     君らは仏か


 「民衆は青年がいるから美しい」―― 中央アジアカザフスタンに伝えられてきた格言である。まったく、その通りだ。
 青年なき社会は灰色だ。青年こそ人類の宝である。青年を愛し、青年の活躍の道を開くところに、未来の希望は洋々と広がる。
 歴史上、どれほど多くの若き尊き命が、残酷な戦争や暴力で奪われたことか。私たちの世代も、嫌というほど思い知らされた。
 権力の魔性は、青年を利用し、青年を犠牲にして、憚らない。
 その魔性に憤然と挑まれたのが、創価の父・牧口常三郎先生であり、戸田城聖先生である。お二人とも、狡賢い大人など信用されなかった。高潔な理想に燃える青年の心こそを、信じ抜かれた。
 この信頼に、十九歳の私は立ち上がった。若き力で、平和と正義の新時代、すなわち「青年・勝利」の世紀を勝ち開くのだ、と。


 全世界
  君を見つめむ
       青年部
  勝鬨あげて
     青春飾れや


 御聖訓には「日蓮が弟子檀那の肝要は本果より本因を宗とするなり、本因なくしては本果有る可からず」(御書P808)と仰せである。
 大事なのは「本因」である。万人が成仏という最高の幸福境涯を勝ち取るための根本の因を、大聖人は南無妙法蓮華経と説き明かしてくださった。誰人たりとも、今この時、この場所で、妙法を唱え、妙法に生き切ることによって、尊極なる久遠元初の仏の生命に立ち返ることができる。昇りゆく旭日のごとく、常に鮮烈な生命力で出発できるのだ。過去の宿業を嘆く必要などない。「今から」である。「これから」である。「いよいよ」である。
 この「本因妙」という前進の息吹を、最も滾らせていく力こそ、師弟にほかならない。正しき師匠を求め、師の心に応えんとする弟子の一念にこそ、前進と勝利の本因が刻まれるからだ。ゆえに、師弟に生き抜く生命は、永遠に若い。その人が永遠の青年なのだ。


 気高くも
  広布の歌声
     美しく
  乙女の成長
     諸仏は護らむ


 日本も、世界も、深刻な経済危機に揺れ動いている。法華経に説かれる通りの「五濁悪世」の時代の様相である。多感な若者の心を惑わし、誑かす悪縁もはびこっている。だからこそ、青年は賢く鋭くならねばならない。強く勇敢に大連帯を組みゆくことだ。
 混迷を打開しゆく智慧も力も、誰かが与えてくれるのではない。自身の中にこそある。若き生命には、いまだ開発されぬ無量の宝材が秘められている。それを引き出す源泉が、信仰なのだ。
 アメリカの未来学者ヘンダーソン博士は、創価の女性を讃えて、「学会は、一人一人が持つ可能性を深く自覚し、その可能性の開発を常に教えてきました。この作業こそ、人間として最も幸福な生き方ではありませんか」と語ってくださった。
 いま、全世界で「広布第二幕・池田華陽会」が躍動している。「青年・勝利の年」は、わが女子部の「幸福勝利の年」である。
 「若人がぐんぐん伸びゆく創価学会たれ
 「学会の青年部のたくましさを吹き込んでこそ、今の青年層を蘇らせることができる」と、恩師は胸を張って語っておられた。
 「一閻浮提広宣流布」という未曾有の民衆運動に勇み立つことほど、価値ある青春の晴れ舞台が、いったい、どこにあろうか。
 「世界は変わる 創価の青年たちの情熱があれば」とは、世界の教育界から寄せられる絶讃である。
 ブラジルの天文学者のモウラン博士と、私は語り合った。
―― 宇宙は常に進化を続けている。同じく、私たち人間も常に成長し続けていくのだ、と。
 あの世界最高峰のヒマラヤ山脈も、風雪を受けながら、一年また一年、隆起し成長してきたという。わが創価の青年山脈よ世界の人材王者の誇りも高く、厳然と堂々と、勝利、勝利の上昇を


 逞しき
  正義の創価
        青年が
  歴史の幕をば
       開かむ力よ