皆さんのために来ました!

 アメリ創価大学から輝かしい英才たちが雄飛している。今年も卒業生が、ハーバード大学スタンフォード大学コロンビア大学など一流の大学院に進学する。まさか、こんな時代が来るとは16年前を思えば、感無量である。
 その当時、アメリカ広布の行く手は、深い暗雲で覆われ、先生の構想から大きく外れようとしていた。皆の成長と幸福のためにあるはずの組織が別方向に向かい、麗しい師弟の世界を分断しようと、邪悪な日顕宗が魔手を伸ばしていた。このままではメンバーがかわいそうだ来る日も来る日も苦闘の連続だった。
 1990年2月12日午前11時(日本時問13日午前4時)、池田先生がロサンゼルスに降り立った。その瞬間から、暗雲を吹き払う烈風のごとき大激励行が始まった。
「皆さんのために来ました私は真剣勝負で道を開きます
 先生には、この後、南米まで行く予定があった。しかし、それを取りやめて、アメリカに17日間、留まり、ポーリング博士、カズンズ博士らと対談されながら、魂を揺さぶるスピーチを15回もしてくださった。
 特に、青年部に対する研修は、8回に及んだ。専制と独裁の闇を破った民主と自由の曙光---アメリカ独立革命の精神を繰り返し語ってくださった。「暴政は地獄と同様に容易に征服することはできない。しかし、われわれには戦いが苦しければ苦しいほど、勝利はますます輝かしいという慰めがある」。先生が語ったトマス・ペインの言葉は、当時の青年部の魂に深く刻まれている。
 私は毎回、先生の後ろの席にいた。数百人の青年が、先生から一対一で激励を受けているかのように、見る見る表情を変えるのがわかった。先生は、疲労の極に達していたにちがいない。しかし、そのような素振りは微塵も見せられなかった。噴き出る汗を拭おうともせず、渾身の指導を行われた。
 「誠実一筋で走ってきた。権力にもよらず、経済力にもよらず、裸の人間としての大誠実だけで、嵐のなか、幾百万の民衆の先頭に立ってここまで来た。恩師への誓いのままに、ただ、会員を守ろう、幸福をつかんでもらおう、との真心しかなかった。それが私の一生である」 何と偉大な師匠に巡り会えたことだろう。偉大なる勝利へ、反転攻勢は、ここから始まった。私たちは、先生の指導を貧るように読み、正義の対話を粘り強く行い、若い世代の育成に真心を込めて取り組んだ。
 今、アメリ創価大学で存分に青春を謳歌している英才たちは、当時の青年リーダーの子どもの世代である。どこまでも師弟の人生を求め抜き、人間共和の1000年の基盤を建設するために青年の育成に献身していこう。これが私たちアメリSGIの一致した決意である。
大白蓮華5月号】