励ましには希望に変える力がある

 岡山県・JR津山線脱線事故(11月19日早朝)。落下した巨岩が線路を損傷。始発列車が横転し、乗っていた25人が重軽傷を負った。
▼周りはまだ暗く、先頭車両には負傷者が折り重なった。「おばあちゃん、大丈夫?」「おじいちゃん、すぐ助けがきますから」――自らが事故に遭いつつ、救出までの20分間、車内で必死に励まし続けた一人の高校生。テレビ報道で、事故の経緯とともに、救助された乗客から感謝の言葉が紹介されていた。その逞しい彼は高等部員だ。
▼2年前に父が、くも膜下出血で急逝。その時、未来部を担当する男子部員が駆けつけた。彼が野球部を辞めようと悩んだ時も、すぐさま県高等部長が「自分に負けるな」と激励を続けた。その力強い声援が、彼に前へ前へと闘う魂を呼び覚まし、人を思いやる優しさをはぐくんだ。
▼励ましの声には、絶望をも希望に変える無限の力がある。恐れを打ち砕く無敵の強さがある。だから、励ますという振る舞いに、誠実を貫く人間の真実が光るのだ。池田名誉会長は励ましを送れる人こそ「人間としての真の幸福の人であり、勝利者」と、
▼未来の勝利、人間の勝利のために「声もをしまず」(御書P328)、希望と勇気の励ましを送り続けたい。(刻)