激動の時代を勝ち抜くには

 激動の時代の中で勝ち抜いていくための要件は何か。
 もちろん、さまざまに分析できるが、ポイントの一つは、「人に頼る心を捨てる」ことではないだろうか。
 運動会の伝統の競技「綱引き」に関連した興味深い実験がある。
 一人で綱を引く場合と、大勢で綱を引く場合とでは、力の出し方が、どう違っていくかを調べたものである。
 綱を引く人数が増えればどうなるか。結果は、人数が増えれば増えるほど、一人一人が出す力は減っていく。
 一人の時に出す力を「100」とすると、8人で綱を引く場合には、一人が出す力は「50」以下になってしまうというのである。
 共同作業をする人数が増えると、「一人」の出す力が減っていく。こうした現象を心理学用語で「社会的手抜き」と言う。実験をした人の名前にちなみ、「リンゲルマン効果」とも呼ばれる。
 ”人に頼る心”がある限り、自分のもっている大きな力を出し切ることはできない。
 力を出し切ってこそ、厳しい現実に勝つことができる。

【2007.8.7 全国最高協議会での指導より】