すべてを前進のバネに!

 人生に試練はつきもの。だが、それを嘆いて逃げてしまうか、真正面から向き合うかによって、人生は大きく変わってくる。
▼「進行性筋萎縮症」と診断された壮年。朝、目が覚めると“きょうで体が動かなくなるかも”との恐れが胸を占める。不安を吹き飛ばすように真剣に祈る。体調に配慮しながら、広布の活動に参加。“現場”には、悩みのない同志は一人もいなかった。“自分だけが苦しいのではない”と気付く、
▼壮年は、他者の幸福に尽くすなかに、自らの使命を輝かせる生き方があると実感。現在、車いすでの生活だが、同病で悩む人や家族の励ましに出かける。「ほっとけないという思いが、自然と体を押してくれます。病気は治らないかも知れませんが、病魔に負けない心は築くことができる。それを教えてくれた信心と病気に感謝です」
日蓮大聖人は、病に伏す太田入道を、こう励まされた。「御痛みの事一たびは歎き二たびは悦びぬ」(御書P1009)。同苦されるとともに、病をさらなる成長の機会とするよう訴えている。
▼一切の試練をも成長の糧としていける人に、愚痴や不満はない。すべてを前進のバネに――この強い思いこそ、自らの人生を飾り、他者に希望を届けていくことになる。(知)