民主の「子ども手当」2

民主党子ども手当」、端的にはこういうことです。


 毎月2万6000円が支給されるといっても、その対象者である子ども(中3以下)はいずれも扶養控除が廃止されるわけですから、その分を差し引いた金額が実際の支給額ということになります。試算すると、実質的な支給額は月2万円になります。つまり「6000円」は≪見せ金≫にすぎないのです。
 たとえば小学生の子ども3人を抱える家庭があるとします。2万6000円×3人=7万8000円が毎月得られる計算になりますが、実質は「6万円」にすぎないということです。しかもそれらの子どもが中学を卒業し、いずれも高校・大学の年代に入るころになると大変な「地獄」が待っています。扶養控除だけでなく、特別扶養控除も廃止されるとなると、63万円×3人=189万円が新たに課税対象となりますので、配偶者控除の廃止も加えると、この家庭は年間45万円の「増税」が続くことになります。
 「子ども手当」といいながら、実際は、最も教育費のかかる高校・大学生を抱える世帯には何らの恩恵もなく、それどころか一層の「重税」が待っているというのが、民主党子ども手当の実態です。
 仮に、子どもが一人いて、現在、高校・大学生の年代の家庭があるとします。その家庭(=3人)の増税額は、試算すると年間20万円ほどになります。
 子どもをもつ世帯といっても、中学生以下でなければなんのメリットもなく、たとえ支給対象者がいる家庭でも、中学を卒業すると、多大な「重税」が待っているという制度にほかなりません。まして子どものいない世帯にとっては、高齢の父母(扶養家族)や定職を持たない配偶者がいる家庭においては、のきなみ増税となります。しかもそうした状態は、今後一生つづくことになるのです。
 こんなまやかしの政策が「政権公約の柱」として堂々と語られること自体、日本の政治の貧困ぶりを示しているように思えてなりません。

 【2008/10/26(Sun)付 柳原滋雄コラム日記より】