ハドソン川の奇跡

 パイロット歴40年以上。飛行時間19,000時間以上。大ベテランの機長が言った。「あの瞬間に対処するために、これまでのキャリアがあったのだと思う」
▼先月、ニューヨークのハドソン川に不時着した旅客機の機長。エンジン2基が停止後、不時着までの3分間、思い切った決断力と冷静な対応で、乗客全員を守った。全米が「ハドソン川の奇跡」と喝采した。
▼「問題を解決しなければならない、窮地を脱する方法を見つけなければならない、ということだけ分かっていた。それに夢中だった」。淡々と、機長は語っている。「自分にはできると確信していた」。たった3分。生と死の狭間。この瞬間、彼を突き動かしたのはほかでもない。「絶対に成功させる」という執念と、「絶対に成功できる」という確信だった。
▼いざという試練の時、「賢者はよろこび愚者は退く」(御書P1091)。試練にも喜び勇んで挑む「賢者」の一念こそが、我らの「信心」である。
▼「乗員全員が、訓練通りに任務を遂行しただけだ」と機長。日々、わが人間革命に挑み、友のために行動する創価の友もまた、何があろうと「勝利の空」へ飛翔しゆく。「日頃から学んでいる通りだ!」「自分は必ずできる」と誇りも高く。(鉄)

 『我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけん つたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし』(御書P234 開目抄下)


 未来部でも暗唱している有名な御書の一節である。
 他人ごとの時は、「御書の通り」と、この一節を通して指導していても、いざ、我が身にふりかかってきた時には忘れてしまうのではないだろうか?
 唱題根本に「臨終只今」の思いで日々油断無く戦ってまいりたい。