つねに新しいことを学ぶこと

 「最近、歳のせいか記憶力がめっきり落ちてしまって……」。よく耳にする言葉だが、実は「年齢のせい」ばかりではないらしい。
脳科学者の池谷裕二氏によれば、好奇心や探求心がわいた時に発生する「シータ波」という脳波を増やせば、“若者と同じだけの記憶力を発揮できる”と、
▼シータ波を妨げるのは「『そんなこと、やらなくてもわかるよ』とか、『どうせ、この前と一緒でしょ、面倒だなあ』などという気持ち」だという(『脳はなにかと言い訳する』祥伝社)。脳にとって、「マンネリ化」こそが最大の敵なのだ。
▼仕事、生活、人間関係……ともすれば同じことの繰り返しに見える毎日。だが日蓮大聖人は、「餓鬼は恒河を火と見る・人は水と見・天人は甘露と見る」(御書P1050)と仰せだ。物の見方に、その人の境涯が表れる。毎日が「同じまま」に見える時、それは、自分の方が「同じまま」でいるからかもしれない。
▼スイスの哲学者ヒルティは、若さの秘訣を問われ、「つねに新しいことを学ぶこと」と答えた。どんな小さなことでもいい。「どうせ○○なのだから」「面倒くさい」といった言葉を捨て、新たな挑戦の一歩を踏み出そう。その積み重ねが「生涯青春」の人生を築いていく。(之)

【2月22日付 聖教新聞