都政の舵取り役果たす公明党

地域に根差した活動、今後も強力に

二大政党化は進んだか
 「首都、二大政党化の兆し」「「二大政党化鮮明に」---。東京都議選から一夜明けた4日付のマスコミ各紙には、民主党議席増を受けて"二大政党"の文字が躍った。
 今回の都議選についてマスコミは告示前から、「二大政党対決」などと自民、民主の激突に焦点を当てており、「自民党民主党か」の選択を、都議選の重要な争点としたのである。
 過去の選挙を見ても、マスコミが「目立った争点がない」と強調し続ければ、有権者の関心は高まらず投票率は低下する。今回、マスコミが強調した「都議選は二大政党対立」という論点は、民主党にとっては大歓迎だった。国会議員の勢カは民主党自民党に迫っているが、都議会では自民党との議席差は大きい。岡田克也代表らは「都議会でもぜひ二大政党に」と訴えたのである。
 もちろん、政党はメディアが設定した議題を黙認するものではない。自らメッセージを発信するとともに、メディアの議題設定に影響を与えようとする。今回、公明党は「安全・安心」や防災の街づくりへ実績を語り政策を提示し続けた。都民やマスコミの関心が高い分野であり、少なからず共感を呼ぷことができた。
 ただ、メディアが提示した都議選最大の焦点は「二大政党化」であり、都民、特に無党派の人々には03年衆院選、04年参院選と同様、「自民か民主か」が選挙の対立軸として受け止められることになったと思われる。
 しかし、首都とはいえ地方議会である都議会で二大政党化というのは奇妙な表現である。今回の都議選結果について東京都の石原慎太郎知事は4日、「国政の二大政党と重ねるアナロジー(類推)は政治感覚を知らない人の言うこと」"都議会の二大政党化"論を切って捨てた。
 わが国の地方自治は首長も地方議員も住民の直接選挙で選ばれる「首長・議会公選型」であり、首長を中心とする執行機関と議会という両機関が、対抗する構図になっている。地方議会は住民に代わって行政を監視したり、協力して住民の福祉向上を図らなければならない。
 与党・野党というのは基本的に議院内閣制の用語である。地方議会でこれを強調し、まして二大政党化などというのは地方自治に対する認識不足であろう。
 今回の都議選では、公明党が23議席で完勝し都政の舵取り役としての存在感を示し、自民、公明の議席合計71は民主35の2倍を超している。実績ゼロで2議席減となった共産も13議席を得た。「二大政党の対決と事前にいろいろ言われたが、この結果を見ると必ずしもそうではない」(神崎武法代表)のである。


民主は批判の受け皿
 国政の場でも自民、公明の連立政権は定着しており、二大政党化に向かっているとは必ずしもいえない。衆院小選挙区比例代表並立制野党第一党民主党を押し上げたのは事実であるが、この党には地方議員や党員など基礎体力が不足していると指摘されている。現在の民主党は、かつての社会党がそうであったように、政権与党に不満を持つ有権者の受け皿である。
 公明党は、地方議員や党員・支持者との現場のネットワークをさらに整備し、より強カな活動を進めていきたい。【公明新聞 社説より】