河野澄子さん死去

 「やはりつらい」と河野さん=妻の遺影、7年前に用意−長野

 「わが家にとって事件は終わった。きょうから彼女は自由に動ける」。1994年6月の松本サリン事件の被害者で、14年以上意識不明だった妻澄子さん(60)が死去した5日、河野義行さん(58)が長野県松本市の自宅前で取材に応じた。「覚悟していたが、やはりつらい」と声を震わせた。
 河野さんは7年前から遺影を用意。担当医から「余命90日程度」と宣告された今年6月以降、澄子さんには「子どもたちも一人前に育った。後のことは何も心配は要らない」と話し続けた。
 澄子さんの遺体が病院から自宅に戻った際、河野さんは「やっと帰れたね。ここが家だよ」と声を掛けたという。
 「家の大きな支えがなくなってしまった」と肩を落とす河野さん。「彼女が頑張ったのだから僕も頑張らなきゃ」と自らを奮い立たせていた。

 【8月5日(火)19:30 時事通信社


 14年以上意識不明だった奥様… ただただ、ご冥福をお祈りいたします。