2009.08巻頭言

「団結」は常勝の秘術なり



われら みな
   久遠元初の
     家族なば
    三世の絆の
       同志なるかな


 「団結こそは、人生の新しい哲学である」――これは、イタリアの思想家マッツィーニの至言である。「団結」は言い古されたように見えて、じつは常に新鮮な活力をもたらしてくれる源泉だ。
 「ピープル・パワー(民衆の力)」の革命を指揮された、あのフィリピンのラモス元大統領も、青年に「新しい数学を学べ」と語られていた。「新しい数学」とは、「1プラス1」が「3」にも「4」にも「5」にもなる。すなわち異なる他者と力を合わせることによって、計り知れない相乗効果が生まれることである。
 恩師・戸田城聖先生は、晴れ晴れと宣言なされた。
 「広宣流布に励む異体同心の学会こそ、人の和を、最も理想的な形で実現した団体である」「たとえ邪悪な輩が何百万あろうと、この金城鉄壁の団結には、絶対に、かなわない」


この人生
 共に 共にと
    創価かな


 今や、「異体同心」は、世界広宣流布の同志の合言葉となった。
 「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候、悪は多けれども一善にかつ事なし」(P1463)。拝するほどに、勇気と希望が込み上げてくる。
 「異体同心」は、荒れ狂う闘諍言訟の末法を、仏の軍勢が勝ち抜くために、大聖人が明かしてくださった絶対勝利の秘術である。
 妙法を根本として戦う「異体同心」の陣列。それは、中央の南無妙法蓮華経の光明に照らされて、十界の全衆生が「本有の尊形」と輝き調和する御本尊の相貌の本義に、そのまま境智冥合するのだ。
 この深義に則り、仏力・法力を厳然と漲らせゆく大聖人正統の「一善」の団結、すなわち唯一極善の和合僧こそ、創価学会なのである。この異体同心の世界を広げることが、広宣流布である。
 「悪は多けれども一善にかつ事なし」。いかに悪と悪が組んでも、それは所詮、怨嫉や利害による畜生道の結託に過ぎない。いずれ「自界叛逆」し、四分五裂して、必ず滅び去っていくのだ。


連戦と

  連勝 綴りし
     錦州城
   さらに勝ちゆけ
       常勝舞いゆけ


 紀元前216年、古代の地中海世界の名将ハンニバルの軍勢は、強大なローマの大軍を打ち破った。有名なカンネーの戦いである。
 敵の圧倒的な戦力に驚く盟友ギスコーに、ハンニバルは痛快に語った。「君は大事なことを見逃しているぞ。あれほど沢山の人がいたって、あの中にはギスコーという人はいないのだ」。勇敢な君さえいれば勝てる、と励ましたのである。
 我ら創価スクラムは師子の集いだ。わが身を惜しまず戦ってくれる一人一人の同志と、絶対の信頼で結ばれている。だから強い。
 昭和32年の8月、関西の全六支部が一丸となって、大阪事件の烈風をはね返し、一万世帯に迫る大折伏を完遂してくれた。
 旧・関西本部の懐かしき管理者ご夫妻の叫びが思い起こされる。
 「皆が仲よう団結できるんも、信心の大確信が湧くんも、師弟の絆のおかげです。この原点があるかぎり、嵐がくるゆうても、荒波がくるゆうても、常勝関西は永遠に負けしまへんで
 法華経の涌出品には「無量干万億の菩薩摩訶薩有って、同時に涌出せり」と記されている。
 地涌の菩薩の本領は、総立ちして一気に躍り出る大攻勢である。創価の誉れの友は、日本全国、そして全世界、呼吸を合わせ、祈りを合わせ、同心の連帯で一段と勢いよく前進している。
 多宝の如く、普賢の如く、世界の大知性の支持も絶大である。
 ガンジー直系の哲人ラダクリシュナン博士も讃えてくださった。
 「創価の師弟は、民衆が結集して行う活動が、世界平和の実現のために、無限の役割を果たせることを実証されました。歴史家ならば、不可能と呼ぶような偉業を、見事に達成してこられたのです
 「団結」の力が「まさか」を実現する。さあ、「異体同心」の旗高らかに、共々に栄光の創立八十周年へ、明朗な快進撃を


偉大なる

  創価スクラム
      組み直し
   正義の勝利を
       天下に示せや

 決戦の8月