グループの名称は「自在会」となった。
たとえ、目は不自由であっても、広宣流布の使命を自覚するならば、その生命は自由自在である――との意義を込めた名である。
そして、前年の12月に3、40人が集って、「自在会」発足記念の座談会を行い、以来、毎月、座談会を開催してきたのである。
メンバーの願いは「いつの日か、私たちの座談会に、必ず、山本先生に出席していただこう」ということであった。
周囲の幹部たちは「無理だ」と言ったが、決してあきらめなかった。皆が真剣に祈った。伸一に手紙を書いた人もいた。
必死の一念を燃え上がらせよ。それは、いかなる状況も変えゆく力だ。
会場の後方の扉が開いた。室内には、「自在会」メンバーと、ヘルパーとして一緒に参加した学会員など、約70人が集っていた。
振り向いたヘルパーの一人が息をのみ、そして叫んだ。
「先生!」
歓声が起こった。
【小説 新・人間革命 宝塔41 抜粋】