青年に語る08-10Vol.3

わが道を選ぶには まず頭上に輝く星を見よ(3/10)

アリベルト・A・リハーノフ

智慧の鉱石を掘り起こす人

 池田会長は、"人格形成の道を自ら切り開いた人"と私は受け止めています。会長が最初に編んだ対談集。それは、イギリスの卓越した歴史家・トインビー博士との対話でした。会長にとって、何よりも己を見つめ、自身の思想と使命感を深める機会となりました。
 私は、会長を、「鉱山を採掘する人」になぞらえたいのです。その鉱山には、まだ見ぬ智慧の鉱石が埋蔵されています。会長は、真理を携えた人と対話を交わし、その智慧の鉱石を求めて鉱山を掘るのです。そして、世界をアッと驚かす鉱石を探し当てるのです。
 トインビー博士とは歴史という鉱石を、宇宙飛行士のセレブロフ博士とは地球を超えた宇宙の鉱石を、作家アイトマートフ氏とは民族の倫理観という鉱石を、サドーヴニチィ・モスクワ大学総長とは科学技術・教育の鉱石を掘り起こしてきました。
 当然のことながら、私には会長の対談集すべてを論じる権利はありません。なぜなら、これら対談集をすべて読破し、習得するためには、日本語の知識と高い教養が必要だからです。
 にもかかわらず、私がロシア語で読み得た対談集だけをとっても、会長の博学には感嘆せざるを得ません。対談の相手が、作家や数学者、国家元首、哲学者などいかにさまざまであろうと、会長はあらゆる分野にわたって見事に論じています。
 のみならず、会長は、対談を交わしながら世界を開拓しているのです。20世紀後半から21世紀初頭の現代社会にあつて、これほど、一貫して、丹念に、忍耐強く、広範囲にわたって、しかも、皆の眼前で、世界を開拓する人を私は見たことがありません。
 会長は、青年時代に植えた英知の木に、青々とした枝を茂らせていきました。そして、見事な大木となつたこの木は、未曾有の美しい大輸の花を咲かせています。しかし、幹は一つ。池田大作という歴史上稀有の人物、その人自身なのです。

大白蓮華 2008-10 P68〜P77 抜粋】