2009.06巻頭言

最前線の「太陽」に最敬礼を



 わが天地
  決意の同志と
      朗らかに
    三世の舞台と
     舞いゆけ 勝ちゆけ


 「どんな大きな成功よりも、『あなたのおかげで、新しい人生を進むことができた』と言ってもらえるときほど、幸福を感じることはないのです」―― これは、私が対談した、アメリカの高名な未来学者ヘンダーソン博士が母から受け継がれた幸福哲学である。
 来る日も来る日も、人と語り、友を励まし、社会のために走る。この尊貴な誇りと喜びは、自らの名聞名利のみに汲々としている浅ましい権力者などには、決してわかりようもないであろう。
 法華経には、地涌の菩薩こそ「人中の宝」なりと説かれている。
 広宣流布の使命に生き抜き、「あなたのおかげで」と感謝の声に包まれた創価の人生は、なんと尊く、晴れがましいことか。
 この壮大な民衆の叙事詩にあって、最も誉れ高く輝く太陽こそ、地区部長、地区婦人部長をはじめとする最前線の宝友である。


 涙して
    此の地開きし
      君なれば
    その名残らむ
       広布の歴史に


 「一人の為にも説かば 是れは則ち難しと為す」とは、法華経見宝塔品の一節である。一人のために法を説く。一人の人材を育てる。一人の味方をつくる。労苦を惜しまぬ一対一の対話に真の仏道修行がある。この実践の根本道場は、最前線にしかないのだ。
 わが師・戸田城聖先生が第二代会長に就任されて、広宣流布の大折伏を宣言されると同時に、私は「地区」から戦いを開始した。
 「先生、必ず吾が地区も前進させます」「地区が完璧になるよう、御本尊に祈る」―― 当時の日記に記した祈りと誓いは、一貫して変わらない。各地の拡大戦も、そして世界広宣流布の開拓も、勝利を決しゆく力を、私は常に「地区」に沸騰させてきた。
大聖人は、佐渡の阿仏房夫妻に「北国の導師」と仰せである。
 地区、ブロックをはじめ、第一線のリーダーは、御本仏から、わが地域の広宣流布を託された尊き「導師」なのである。


 厳然と
  いな猛然と
     立ちゆかむ
   邪悪を引き裂き
      気高き地域と


 「いかなる大難、迫害があろうとも、絶対に崩されぬ鉄の如き決意の『民衆の軍団』をつくる そして毅然と、邪悪と戦い抜く、嵐にも揺るがぬ『正義の闘士』を、必ずつくってみせる
 これが、殉教の先師に捧げた、戸田城聖先生の誓願であった。
あの昭和32年7月17日の正午過ぎ、冤罪の勾留から出獄した私を、関西の全地区の婦人部長たちが勇み立って迎えてくれた。胸を張って苦楽を共にする創価の師弟の陣列が、大関西に盤石に築き上げられたことを、戸田先生は涙を浮かべて喜ばれた。
 その翌月、私は師と不二の巌窟王の心で、荒川区をはじめ大東京を転戦した。徹して現場へ足を運び、対話の渦を起こしていった。
 「正義の学会が強くならなければ、真面目な庶民がいじめられてしまう。それでは、あまりにかわいそうではないか。だから、この東京の地で折伏をするのです。さあ、座談会をやりましょう」
 地区には、顔の見える出会いがあり、語らいがある。ゆえに強く深い。ある地区婦人部長が、きっぱりと語っておられた。
 「直接、会う。よく話し合う。一緒に祈る。そして共に動く。地区の現場では、そこからしか何も始まりません」
 世界の広宣流布も、この仏法の真髄を行ずる地域のリーダーの気高き汗によって躍動し、共感と信頼を広げているのだ。
 アメリカの名門マサチューセッツ大学ボストン校のウィンストン・ラングリー博士も、深く讃えてくださっている。
 「一人立ち、人間の持つ可能性を自らが人々に示す。自らの模範の行動で、人々に行動への勇気を贈る。自らの確信を通して、人々の心の中に、希望や確信を呼び起こしていく。ここに、創価の運動の真価があります」
 さあ、我らの地区から、勇敢に幸福勝利の第一歩を踏み出そう


 先頭に
   君が智慧あり
       力あり
     未来も頼まむ
       此の地の指揮をば