「リスペクト(尊敬)」に徹した

今年のプロ野球は、千葉ロッテの"初代アジア王者"で幕を閉じた。30年以上も優勝から遠ざかっていたチームを、かくも躍進させたものは何だったのか?球界の多くは、ボビー・バレンタイン監督の手腕に注目する
▼「管理野球」という言葉があるように、今まで日本のプロ野球界は、徹底的に選手を管理するトップダウンの体制が主流であった。が、バレンタイン監督は違っていた
▼選手の自主性を大事にする「リスペクト(尊敬)」に徹した。試台前には"野球を楽しみなさい"と声をかけ、どんな失敗にも"全カを尽くした選手に感謝したい"と励ました(伊藤伸一郎著『バレンタイン監督の人材活用術』)
▼今、企業でも、「コーチング」を重視する。これは、社員が最大限の成果を発揮できるように導く指導法。そのためには、仕事のやり方だけを教えるのではなく、自ら考え行動する"内発のカ"を引き出すことが重要だという
▼ロッテの原動カも、まさに選手それぞれが内発カを発揮したところにあった。それは、監督が選手を尊敬することから始まったといえよう。仏法では、人間の無限の可能性を説く。信心を根幹に、互いに成長し励まし合っていく----そこに明年の"躍進"もある。(鋭)