青年に語る08-11Vol.4

ヒマラヤ山脈は高しといえども頂上あり
             池田哲学は限りなく高し(4/7)

陳  暁 春

哲学を語る実践者

 池田先生は全世界の四つの文明に偉大な貢献をなさっています。「政治文明」、「物質文明」、「環境文明」、「精神文明」の四つです。
 第1の「政治文明」は、世界平和と人類の幸福を第一義として、世界政治に貢献していることです。
 毎年の「SGIの日」記念提言で訴えられたことが、世界政治の中で実現しています。先に述べた中日国交についても、調印したのは当時の田中首相ですが、最大の貢献をなされたのは池田先生です。そのことを中国の人々は知っています。しかし、日本人の多くはその事実を知りません。それは嫉妬心からくるものでしょう。偉大な功績があっても、嫉妬心から悪口を言いふらす、これは人間の心の最も醜い部分です。
 中国のメディアでは先生のことを書く際に「池田名誉会長」ではなく、心からの尊敬を込めて「池田先生」と書くのです。中国で池田先生は周総理と同じように尊敬されているのです。
 第2の「物質文明」は、池田先生が創価幼稚園から創価大学までの教育機関を創立されたことです。さらにアメリカにも大学を建設されました。このような物質文明への貢献によって、人材育成の環境を整えられました。これだけ短い期間で、一流の教育機関をつくられた方はいないのではないでしょうか。
 ほかにも民主音楽協会東京富士美術館創価学会の研修道場なども物質文明への貢献です。
 先生はこれらすべての機関を、ご自身のためではなく、人類のため、中でも青年のために設立されたのです。
第3の「環境文明」は、環境のため、国益ではなく人類益の視点から行動されていることです。小説『新・人間革命』には水俣病について綴られています。企業利益を優先するあまり、人命を奪うことも容認してしまうという人間の持つ「魔性の思考」を池田先生は指摘されています。
 池田先生は「格物致知(物事の道理を見極める)」の力が卓越しています。環境問題については、人間の尊厳の観点からアプローチされています。
第4の「精神文明」は、民族やイデオロギーを超えて、文化や芸術の交流を通し、人類の倫理や道徳の水準を向上させていることです。
 私は毎日、聖教新聞を読んでいます。また、池田先生の著作もたくさん読んできました。
 中でも興味深いのは、仏法の思想を現代の問題を解決するために用いられていることです。これを中国では「経世致用」と言います。
 1992年に中国社会科学院で「21世紀と東アジアの文明」と題して行われた池田先生の講演の中に、天台智障・フ思想に言及しながら語られた言葉があります。
 「真実の仏法は、この刻々と進歩・変化する社会、荒れ狂う現実から離れたところにあるのでは絶対にない。むしろ経済・政治・生活・文化等々と不可分であり、それらすべてに、常に生き生きと活力を与え、価値の方向ヘリードしていく。そこに仏法の重要な使命もある」と。これこそ「経世致用」を明確に表した言葉です。
 池田先生は哲学を語るだけではなく、同時に実践者でもあるのです。

大白蓮華 2008-11 P66〜P73 抜粋】