失敗こそ財産

 全米の起業家育成コースの中で高い評価を得る、スタンフォード大学のシーリグ博士の講座。学生への課題の一つに「失敗のレジュメ」がある。
▼日常生活での失敗に加え、そこから得た教訓も記してもらう。成功に慣れたエリートに失敗からも多くを学べることに気付いてもらう狙いだ。“失敗は、スキルを広げる挑戦をした証し”と博士。IT先進国を支える源は“失敗こそ財産”と見る気風にある。(『20歳のときに知っておきたかったこと』高遠裕子訳、阪急コミュニケーションズ)
▼日本ではどうか? “横並び社会”の根強さを身をもって知った一人が、登山家の野口健さん。エベレストや富士山を清掃し、富士山の世界遺産登録を目指す運動は当初、非難・中傷の的となった。「日本は“失敗を嫌う社会”で、よい挑戦に対しても臆病になってしまう」と本紙で語る。
▼長引く不況で“縮み思考”はむしろ強まっている。しかし、結果よりも「挑戦した事実」を称え、失敗した人に勇気を送る温かさがなければ、活力は生まれない。
▼池田名誉会長は「くじけずに多くの失敗を乗り越える人こそ、最後に勝つ人」と。学会には「称える声」「励ましの声」が満ちている。その声を大きく強くして、社会に希望を吹き込もう。(馨)

 若干ニュアンスは違うかもしれませんが、次の一節が浮かびました。
    「人の地に倒れて還つて地より起つが如し」(法華証明抄 御書P1586)

青春の蹉跌 (新潮文庫)

青春の蹉跌 (新潮文庫)

 エリートの失敗ということから、大昔に読んだ石川達三氏の「青春の蹉跌」を思いだした。
 野口さんが言われるように、確かに日本は横並びで失敗を嫌う社会。
 一度失敗するとなかなかリベンジする機会も与えてもらえないのではないだろうか。
 また、大白蓮華9月号P108の「社会で光る」にも、『日本の社会は、人の評価をする時に、まず、欠点をあげる傾向が強いようです。しかも、人のミスや欠点は、長く記憶に残るもの。その人を評価する時に、まず思い浮かべるには、頑張ったことや長所に比べて、ミスや欠点の方が多いように思えます。マイナスを探すのは名人でも、プラスを見つけるのは苦手』と…、
 恥ずかしいが私自身も、他人の足を引っ張り、低く評価して安心しているのが現実ではないだろうか。
 しかし、その中にあって学会は「称える声」「励ましの声」が満ちていて、本当に暖かい組織だと実感している。
 暑かった9月がウソのように、ここ、2、3日涼しくなりました。ただ、今日は暑かったですが…、今日から10月です。
 9月も8月と同じく3,764分(1日少ないので日平均は↑)でした。なんとか平均2時間をキープしていますが、最近はTVの特番が多く、ぼんやりしていると23時を過ぎていて、あわてて端座しています。