内向きになる理由

 年末に紹介させていただいた、ドラッカー本に次のような1節があった。

内向きになる理由

 役所や大企業は豊富な人材を抱えているから、失敗すれば次の人間に交代させられる。そのためミスをしまいと保身に走り、内向きになっていく。ミスを犯さず波風を立てない人間が昇進するようになったから、安定成長が続いている間にみんなが上役の望まないことはしなくなったのである。
 前例のないことは、失敗した時に責任をとわれるからしない。やってみなければ分からないことはしない。次第に問題は先送りされ、何もしない「ことなかれの体質(無作為)ができ上がっていく」のである。

 悪い報告、クレーム、お客からの厳しい批判は上へ伝わらない。いつしかトップは裸の王様となり、現場の実態と離れた「ノー天気な指示をする」ようになり、現場の人間には不満がたまる。良いことではないが、現場の人間の不満が貯まって内部告発が続発しているのである。

 つぶれる心配がなくなるほど会社が大きくなると、内部のルールで動き出すのは役人の世界も企業の世界も同じである。お客(得意先)に気を使うよりも上役に気を使っている企業はほとんど病気にかかっている。

 主語等を置き換えて読んでみると、なかなか興味深いと思います。
 まだ、もう少し面白い箇所がありますが、引用が長くなるので続きは後日に…