口は禍の門

 人間関係はちょっとしたことで壊れてしまう。職場や家族、近隣などで悩みを抱えている人も多いだろう。
◆「人間関係に関する調査」(クロス・マーケティング)によると、「とても重視している」「やや重視している」を合わせると68%、「リセットした/したい人がいる」は37%だった。人間関係を良好にするのも悪くするのも言葉のやりとりがきっかけとなる。
◆『余計な一言』(齋藤孝著)には、28の実例を解説し予防策が書かれている。例えば「何でもいいよ。〜でいいよ」は、言われた側が「どうでもいい」と、ひどく軽んじられたように受け取ってしまう危険がある。「〜で」を「〜が」に言い換えるようにする。
◆意外だったのが「頑張れ」。無責任に使うと「言われた側を疲れさせる言葉」になってしまうという。仕事であれば指示や要望を具体的に伝える、病人には禁句にしたほうがよいと。その上で、余計な一言を減らすためにコミュニケーションにおける「ディフェンス力が求められてる」としている。
◆"口は禍の門"である。長く続く友人・知人を大切にする上でも新しいつながりを築いていくためにも、自分が発する言葉に気を付けるよう心掛けたい。(越)

 2023.10.6付 公明新聞 北斗七星より

 「わざわいは口より出でて身をやぶる・さいわいは心よりいでて我をかざる。」 十字御書 御書全集P1492