人生には、自分を鍛える「道場」が必要である。
「道場」がなければ、師範にはなれない。一流にはなれない。名人にはなれない。
日蓮仏法では、「道場」の意義について「此を去って彼に行くには非ざるなり」(御書P781)と説いている。
今いるところを離れて、どこかほかに「道場」があるのではない。わが一念を固めた時に、職場も、地域も、すべてが最高に意義ある「道場」となる。勝ち戦のための「道場」となる。
戸田先生は、よく語っておられた。
「どんなに大きな会社や組織でも、また、どんなに小さな会社や組織でも、いやな人間や悪い人間は必ずいるものだ。何も問題がないなどというのはありえない。もし何も問題がなく、完成された所であるとすれば、成住壊空という原理から言って、あとは滅びていくだけである。要するに、問題があるから、力がつく。悪い人間がいるから、境涯が大きくなる。そう達観して、大きく強く生きぬいていくことだ」と。
問題があり、悩みがあるからこそ、それと戦って成長できる。
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人間としての「修行の坂」を最後まで登りきらねばならない。
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人生の「坂」は、登りきるか、それとも下るか、そのどちらかである。
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一生という長い坂を、焦らずに、また忍耐強く、快活に、一歩また一歩と登っていただきたい。
2021.11.27付 聖教新聞
「勇気の源泉」創立者が語った指針
1997年11月「創価教育同窓の集い」でのスピーチを抜粋