名字の言

不撓

昭和32年4月16日、青年部の室長であった若き池田名誉会長は大阪・四条畷市を初めて訪れた。同志を励まし、「不撓」との揮毫を認めて語った。「不撓とは屈せず、たゆまずということです」 ▼同年7月17日、雷鳴が轟き、激しい雨が大地をたたく中、行わ…

7.3から7.17へ

50年前(昭和32年)の7月、大阪拘置所の独房内の温度は時に40度を超えた。想像を絶する環境の中、不当逮捕された青年部の池田室長(当時)への過酷な取り調べが続いた。 ▼差し入れの食事は、箸をつけた形跡もなく戻ってきた。「体を苛まれながら、恩…

生命の“器”に何を入れるのか?

ある人が大きなガラス瓶を出し、拳ぐらいの石を入れた。次に、その隙間に小石を、さらに両者の隙間を砂で埋めて言った。「ここから、どんな教訓が読み取れますか?」 ▼「自分のスケジュールがどんなにつまっていても何かをするための時間は必ずつくれるとい…

大誠実で!

その少年は、汚れたボールを手に、立ち続けていた。昭和20年代後半の後楽園球場。公式戦を終えて出てくるジャイアンツの選手にサインを求めたが皆、通り過ぎていった。 ▼最後の一人だけが優しくボールを受け取り、ペンを走らせてくれた。与那嶺要選手。本…

自分らしくやったら

「技術的な面で悩んだとき、妻の『自分らしくやったら』という言葉をきっかけに、自分の長所を伸ばそうと考えを改めました」――先ごろ「チャレンジトーク」に登場した長野五輪スキージャンプの金メダリスト・原田雅彦さんは言う。 ▼原田さんのジャンプは、飛…

「光」と「影」

エチゼンクラゲは、日本海を中心に大量発生し、漁業に大きな被害を与えている。一方で、ズワイガニの餌になることが分かった。最近の研究では、がんなどの診断薬となるタンパク質が含まれている可能性が指摘され、有用な資源として期待が高まっている。 ▼関…

万歳悔ゆること勿れ

今年の「10大ニュース」が話題に上るころである。10ならずとも“私の5大ニュース”として指折り数えてみては、どうだろう。年頭に立てた目標が実現して、その中に含まれていれば、充実した一年であったといえよう。 ▼吉田兼好は「徒然草」で“わずかの時間…

常勝の新殿堂「関西池田記念会館」

“常勝の新殿堂”関西池田記念会館がオープン――喜びに沸く関西の友は、戦う息吹にあふれている。 ▼先日、参加した会合でのこと。婦人の手があがった。入会50年を迎えた今年、奇しくも新会館の誕生と重なった。言わずにはいられなかった。「この意義ある時に…

励ましには希望に変える力がある

岡山県・JR津山線の脱線事故(11月19日早朝)。落下した巨岩が線路を損傷。始発列車が横転し、乗っていた25人が重軽傷を負った。 ▼周りはまだ暗く、先頭車両には負傷者が折り重なった。「おばあちゃん、大丈夫?」「おじいちゃん、すぐ助けがきますから…

日本人は「宗教嫌いの神秘好き」?

上方落語の大看板、故・橘ノ圓都師。90歳で亡くなる直前まで、かくしゃくと高座を務めた。1965年11月の貴重な録音を聴いた。演目は「丙午」 ▼「丙午」といえば、江戸時代あたりから「この年に生まれた女性は気性が荒い」などという、差別的な迷信が…

「創価教育学」

校長先生は、全校児童の家庭を一軒また一軒と訪問。貧しくて学校に来られない子どもを直接励まして歩く。弁当を持参できない子どものために、ポケットマネーを割いて、芋や豆餅を用意してあげた。 ▼後に創価教育学会を創立する牧口常三郎先生である。牧口先…

励まし続けてくれる「師匠」がいる

長崎港から船で約40分の沖合に浮かぶ高島。近代日本の発展とともに、島は“黒ダイヤ”と呼ばれた石炭によって栄えた。しかし、石炭から石油へと、エネルギー政策の見直しにより、1986年(昭和61年)11月、炭鉱の島の歴史に幕が下りた。 ▼最盛期、島…

自分で自分をつくった人が勝つ

針桐という名の木をご存じだろうか。もしも欅や檜が木のエリートだとしたら、針桐は目立たぬ無名の実力者とでもいえようか。 ▼木材としては栓と呼ばれ、古くから優れた家具用材として利用されてきた。針桐という名も、高級家具材の桐の代用として使われたか…

選択肢は二つ「立ち向かう」か?「退く」か? 

「僕の悪口を言う声がいっぱい聞こえてくる。助けて!」。恐ろしい形相で息子が突然、叫んだ。いつもと違う様子に、婦人は背筋が凍りついた。医師の診断は「統合失調症」。 ▼不安で母の側を離れることができない息子。風呂に入る時でさえ、母はドア越しに「…

希望の新聞"聖教新聞"

彼女が宝物にしてきたノート。それは中学生の時に作った、新聞の切り抜き帳。父が、学会員の知人に頼まれて購読した新聞だった。 ▼太陽のような皆の笑顔。夢と希望にあふれた言葉。心に光がパーッと差し込むようで、いつしか彼女が家族で一番の愛読者に。 ▼…

ダイヤはダイヤでしか磨けない

15世紀、宝石職人が雇い主の娘に恋をした。雇い主は「もしダイヤモンドが磨けたら」と無理難題を持ちかける。ダイヤは、日本名が「金剛石」と言われるように、最も硬い石。うまく磨けない。万策尽きた彼は、いくつものダイヤを投げつけた。 ▼すると、どう…

「関西魂」

「雨中に“関西魂”貫く」。40年前(昭和41年)の9月、甲子園球場で行われた関西文化祭を報じた本紙の見出しである。この時に初めて、「関西魂」という言葉が紙上で使われた。 ▼雨に打たれ、泥にまみれながら、迫真の演技をする4万人もの青年。試練を前…

「銘木」と「あて」

「銘木」とは材質が優れて見た目も美しい良材のこと。だから、柱や天井板など目に触れる場所に使われる。一方、質の悪い木材のことを「あて」という。その“癖”をもつのは、過酷な環境で育った木だそうだ。 ▼風に負けまいと抵抗したり、重い積雪に反発したり……

平凡な主婦なんですが

「私は平凡な主婦なんですが」――そう前置きをして、国連のチョウドリ事務次長に質問をした人がいた。先日行われた、女性平和委員会、女性平和文化会議の代表との懇談会でのことだ。 ▼それに対して事務次長は、にこやかに答えた。「今“平凡な主婦”と言われま…

一人の誠実な行動は世界も変える

32年前、池田名誉会長が初めてモスクワに降り立った時、迎えるソ連の人々の気持ちは「警戒感」であったという。 ▼西側の人間、しかも宗教指導者。「私たちとは違う世界の代表」(モスクワ大学のトローピン副総長)との感覚も、当然と言えば当然だった。ソ…

広布の行進の陰に学会歌

♪誓い果たさむ 弟子なれば――先月、結成55周年の青年部幹部会で発表された新・男子部歌「若獅子よ 勝ちまくれ」を高らかに歌いながら、男子部の友が広布拡大に邁進している。 ▼この歌は、1973年に発表された男子部愛唱歌「原野に挑む」の勇壮な曲に、新…

創価学会は人間を磨く舞台

「芸で大事なものは、運か、才能か、努力か」って聞くんです。だいたい30%ずつくらいに分かれる――萩本欽一さんに青年の育成について聞くと、こう語る。▼では、一番大事なものは? 「どれでもない。僕は性格だと思う。一緒に仕事したいと思わせるのは“いい…

人生の根幹は「師弟」

消印から、連日、投函されていることが分かった。池田名誉会長の連載「わが忘れ得ぬ同志」で紹介された白木義一郎さんが、ある婦人に送った激励の手紙である。 ▼座談会で、その婦人から体験を伺った。――20年前、悩みを抱えていた時、白木さんの指導会が世…

配達員さんの真心に感謝

色鮮やかな紫陽花が梅雨空に映える季節。本紙の配達員さんのご苦労は絶えない ▼雨の日のビニール袋の活用はもちろん、屋外ポストの雨水を拭うタオルを持参される方。メモ用紙とペンを持ち歩き、激励の言葉を書き添え、新聞と一緒に投函することも ▼地域によ…

太陽には太陽の輝きが

知的障害児の教育に携わる婦人部の方に伺った。その道26年、表彰も受けているベテランの彼女も、最初は戸惑いの連続だったという。転機はある行事を通してだった。 ▼「市民参加の集いに、ぜひ子どもたちの演目を」との誘いが。それまで市民との交流や人前で…

世界広宣流布の旗

三代の会長を表す三つのヒマワリが描かれた、アメリカ婦人部の旗が本部幹部会の席上、池田名誉会長夫妻へ。ジョンソン米婦人部長の広布への決意の声が、ブルーの旗のように爽やかだった。 ▼名誉会長の連載「わが忘れ得ぬ同志」で綴られたイギリスの故コース…

平和への使命

「自分が物理を研究しているあいだに、核兵器のために人類が滅びてしまっては困る。人類の半数以上は女性なのだから、世界連邦だけは一生懸命にやってほしい」(『苦楽の園』)。 ▼ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士が、スミ夫人に託した言葉である。…

万代に崩れぬ民衆の城

仙台・青葉城址に「仙台城見聞館」が今春、オープン。伊達政宗による仙台城築城の歴史、発掘調査に関する成果などが展示されている。特に石垣の修復工事を紹介する映像は興味深い。 ▼石垣の勾配は50度から70度。石垣の裏には大小形状の異なる石が積まれ…

平和の地図

茨城県つくば市の国土地理院で伊能忠敬による「伊能図」の複製を見たことがある。 ▼忠敬が全国を実測して描いた「大日本沿海輿地全図」は、没後の1821年に完成。幕末、日本沿岸を測量しようとしたイギリス人も、すでに正確な伊能図があることを知り、そ…

ナポレオンの身長

5月3日「創価学会の日」を慶祝するために来日した、ナポレオン家の当主プランス・シャルル・ナポレオン公。196センチの長身。ちなみに、ナポレオンは168センチだった。 ▼「背が高いですね」と言われると、ナポレオン公は「ナポレオンは、身長には二…